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小さな先生と仲間たち

涙脆いおっさんの感動、感心、おバカな話

お菓子はいらない。

週末、娘の保育園の迎えの帰りは、何時からか近所のスーパーに寄る事が

定例となっていた。

 

スーパーに到着すると、娘は真っ先にお菓子コーナーへ行き、

お菓子という名のおもちゃ(殆どおもちゃでお菓子はラムネ1個だけ

みたいなもの)を買うのが楽しみだった。

本当はお菓子じゃないのでダメなんだけど、やはり、一人娘。

親は甘い甘い。

 

ある日の週末、いつも通り、保育園の帰りに近所のスーパーへ行ったが、

体調が悪い訳でもないのに今一つ、娘に元気がない。

『好きな物買ってもええで。』と、言っても、スーパーの入り口付近から

娘は一歩も動かない。

何時もなら、走ってお菓子コーナーへ向かうのに・・・。

 

僕が『どうしたん?お菓子と好きな物も買ってもええで。』と、言ったら、

娘が一言。『お菓子はいらん。妹買って。』

 

凄くショックだった。

次に娘にどう言ったらいいのか、分からなかった。

 

苦し紛れに

『ここのスーパーは色々な物が売っているけど、妹は売ってないね。』

って、言ったら娘は

『じゃあ、妹売っている所に行こう。』って・・・。

『デパートに行っても、やっぱり、妹は売ってないなー。』

 

その会話を聞いていた嫁さんは泣いた。

 

娘の通っていた保育園のお友達は殆ど、兄妹がいる。

多い家庭では、6人姉妹と6人兄妹が2家庭もあった。

娘は羨ましくて、どうしても妹が欲しかったと思う。

嫁さんも本当は2人子供が欲しかった。

実は、僕も子供は2人は欲しかった。

 

バブルがはじけ、リーマンショック、今、会社は何とかやっているけど、

今後、どうなる事か分からない。

また、会社の業界自体が今後、良くなる方向へ向かう可能性は低いと感じていた。

その為、僕は2人の子供を育てられる環境を保つ自信がなかった。

 

僕の母親に言わせると、『そんな事、何とかなる!昔はみんな貧乏で子沢山。

それでも、全員、生きている』って。

僕の勝手な思いで、嫁さんと娘には本当に可哀想な事をしてしまった。

 

その後、娘は妹が欲しいとは、言わなくなった。

大好きなパパとママがいるからだって。本当に泣けてくる。

 

でも、現在の娘は僕の事を『キモい!』とは言うが、『大好き!』とは、

言ってくれない。

 

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