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小さな先生と仲間たち

涙脆いおっさんの感動、感心、おバカな話

パパが泣いた日

今から8年前、僕は約20年勤めてた会社を辞めた。

辞めた理由は転勤辞令。

凄く悩んだ。

 

その当時、お義父さんが病気で大きな手術をしたばっかり。

いつ容態が悪化するか分からない。

娘も保育園児でまだ、手がかかる。

僕の両親も高齢。

転勤しても、また、その事業所へ戻れる保証は一切無い。

僕が元にいた事業所も子会社も地方の2つの事業所も閉鎖された。

会社の業界自体が衰退の一途を辿っている。

また、55歳以上は基本、早期退職の対象者。

 

結果、無理して残っても、今後、良い事があるとは思えない。

でも、僕は仕事は大好きだった。

天職だと思っていたし、定年まで勤めるつもりだった。

 

会社を辞めると同時に大好きな仕事と仕事仲間と収入を失い、

住宅ローンが残った。

 

その時点で僕は40歳を越えており、再就職先なんて簡単に

見つかるはずもない。

毎日が不安との戦いで落ち込んでいた。

 

でも、毎晩の食卓では娘は何時も嬉しそうにしている。

ある時、娘が一言。

 

『みんなで一緒に食べるご飯は美味しいね!』って。

 

会社にいた時は週末以外は帰宅が遅く、一緒に晩御飯を

食べる事が殆ど出来なかった。

僕は娘の笑顔に癒されていた。

 

その時、娘は食事の最中、パパにお手紙を書いたと言って、渡してくれた。

可愛い封筒に便箋が一枚。

びっしりと、何か書いてあるが、書いている文字が分からない。

娘に『何て書いてあるの?』って、聞いたら、娘が

 

『パパ、お仕事頑張って!』だって。

 

僕は娘の手紙を握りしめ、トイレに駆け込み、暫く泣いた。

 

食後、嫁さんから一枚のCDを聞かせてくれた。

当時、放送していた新三銃士のテーマ曲で平井堅の『一人じゃない』

 

嫁さんが『パパ、みんな一緒にいるから悩まなくていいよ。』って。

家族って、本当の宝物だと実感。

今も僕のカバンの中に娘がくれた手紙を大切に持ち歩いている。

 

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