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小さな先生と仲間たち

涙脆いおっさんの感動、感心、おバカな話

特効薬

今から3年位前、親父が入院した。

 

母親に聞くと急に痛みを訴え、苦しみ出し、暫くすると何事も無かった様に、

正常に戻ったらしい。

 

母親は親父に病院に行けと言ったけど、親父はチョットやそっとでは、

病院なんて絶対に行かないタイプ。

当然、行かなかった。

 

だが、数日後、また同じ症状が発症して、苦しみ出したそうだ。

危険を感じて母親は親父を無理矢理、病院へ連れて行った。

 

診断の結果、胆管結石。

 

医者は両親に説明をし、手術を勧めたが、親父は80歳を過ぎているし、

母親も80歳前。

なかなか、病状が理解出来ない上、現在、痛みの症状が出ていないので、

親父は『痛くないのに、何で手術をせんとアカンのや。』と。

 

仕方なく、母親はもう一度、親父と一緒に病院へ行って欲しいと、

僕に依頼してきた。

 

後日、親父と一緒に病院へ行き、先生の話を伺った。

先生が一言。

『えーと、お隣に居られる方はどちらの方ですか?』

『息子です。』

『あ、息子さんでしたか。良かったー!奥さんも説得してくれてはいたのですが、

全くお父さんが話を聞きいれてくれなくて、困っていたんです。』と。

 

先生の話を聞くと、胆管に3つの結石が有り、その結石が胆管内をウロウロして

いて、胆管出口に結石が2つ迄なら、詰まっても胆汁が流れるから痛みは

ないけど、何らかのタイミングで胆管の出口に3つ詰まると、胆汁が流れなく

なって、痛みが発症するとの事。

 

先生の話を聞いて病状を理解した僕は、親父に一言。

『手術しろ。』

『なんで、痛くもないのに、手術をせな、ならんのや!』

『今は、たまたま、結石が胆管に詰まってないか、詰まっても、結石が

2個以下やし、痛くないんや。』

『でも、今は痛くないんや。』

『それは、分かってる。でもな、親父は80歳超えているんやで。これ以上、

年取って、痛みが発生した場合、体力的に手術出来んようになったら、

どうするんや!』

『痛くないもんをなんで、手術なんてする必要はないやんけ!』

 

親父は同じ言葉を繰り返すばかり。全く、話を聞き入れない。先生も困るはず。

 

仕方がないので、僕が

『もし、親父になんかあったら、どうするんや!僕の娘や兄貴の娘(因みに

兄貴の所も一人娘)が泣くぞ!』と、言った。

 

『手術する。』即決。

 

『先生。すみませんが、親父を宜しくお願いします。』

 

大人がごちゃごちゃ言うより、孫を出すと話が早い!

お陰様で現在、親父は年の割には凄く元気だ。

 

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