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小さな先生と仲間たち

涙脆いおっさんの感動、感心、おバカな話

父親の小さな努力

僕の友達の中で唯一、20代で結婚、すぐに子供を授かった奴が一人いる。

(ひとまず、コイツをAとする。)

 

世間的に20代で結婚し、子供を授かる事は珍しい事では無いけど、

僕ら仲間は凄いと思えた。

 

以前、仲間と居酒屋で飲み会をした時、料理の注文をする際、

僕を含め、周りのツレが『えっ!』って口をそろえて言った

場面があった。

 

内容はたいした事ではないが、僕ら仲間が驚いたのは、

Aが納豆を最初に注文したから。

 

実はAは納豆が大嫌い。

納豆の好きな人には非常に失礼だが、A曰わく、

『なにが悲しくて、あんなもん食わなアカンのや!腐ってんのやぞ!』と。

『納豆食わな死ぬと言われば、渋々、食うけど、死ぬかもしれないと

言われたら、俺は絶対に納豆は食わない』と言っていた奴だ。

 

Aの納豆嫌いはこの場に居る奴は全員知っている。

だから、全員、驚いた。

 

当時、僕も納豆は嫌いだったが、結婚してから食べられようにはなった。

但し、僕は健康の為、食っているのであって、ワザワザ自分の

小遣いから、買ってまで食べようとは、今でも思わないシロモノ。

 

Aに『納豆食えるようになったんか?』と、聞いたら、やはり、

今でも大嫌いらしい。

 

『じゃあ、何故、嫌いなものを注文するんや?』と聞くと、

自分の子供に好き嫌いするなと言えなくなるからだと。

でも、もし、自分に子供がいなければ、納豆は絶対食わないと

言っていた。

 

Aは飲み会の始まりから、終わりまで、納豆を一粒づつ摘み、ビールで無理やり

流し込んで、一応、全て食べきった。

 

みんなからは拍手喝采。(笑)

 

いや~~、子供が産まれ、父親になると、人って、変われるものやな。

子供の力は凄いと確信。

 

でも、今度の飲み会の時は納豆は注文しないでね。

 

最初はAが納豆食う度、罰ゲームみたいでみんなで面白がっていたが、

だんだん、拷問しているみたいになって、場が白けるので。

因みにAは納豆のおかげ?で、今も元気で暮らしています。

 

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