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小さな先生と仲間たち

涙脆いおっさんの感動、感心、おバカな話

心のこもった業務命令

今回はブログタイトルの内容が娘や嫁さんの事ではありません。

僕自身の事を書かせてもらいます。

 

僕は学校を卒業してからは、サラリーマンをやっています。

転職は数回、経験していますが、引き抜きされるほどの実力なんか

無く、長期のブランク期間(無職)も経験しています。

 

現在も含め、様々な方たちと出会って来ましたが、サラリーマンである

自分が心底、尊敬できる上司の出会いがあまりありません。

 

でも、その中で唯一、僕が今でも尊敬出来る元上司が二人います。

 

一人は仕事的に尊敬出来る上司。

もう一人は人間的に尊敬出来る上司。

どちらの方も、約20年間、お世話になった会社の上司です。

 

その中で、今回は人間的に尊敬出来る上司の方の話をさせて

戴きます。

 

この方は僕の嫁さんの元上司でもあり、4人娘のお父さん。

口数が少なく、余り、感情をあらわにしない、

常にポーカーフェイスの人。正直、愛想もあまりない。

 

でも、この方の人間的に尊敬出来る点は、部下を信じ、

部下の家族を気遣い、周りを大事にする人。

また、僕の業務の重要性を一番に理解してくれた。

 

仕事が忙しいのに、僕の嫁さんが妊娠した事を知ると、

基本、早く帰って、家事を手伝えと言った。

 

嫁さんは出産の為、色々あって、約一ヶ月入院したが、

入院中は極力、定時で仕事を切り上げて、病院に向かい、

嫁さんの見舞いに行け。と言ってくれた。

 

仕事は、殆ど定時で終わらせて貰っていたが、仕事の帰りに

直接、嫁さんの病院へ見舞いに向かい、ほぼ、

面会終了時間まで居て、帰り道で食事を済まし、

帰宅後、洗濯や風呂に入ると、毎日の就寝時間が

午前3時頃になった。

 

出産予定日の2週間前、僕は体調を崩してしまい、会社を休みたかったが

通常でも仕事が忙しいのに、定時で仕事を終えていた為、業務が全然、

捗っておらず、会社を休める状態ではなかった。

仕方がないので、上司に午前中だけ、会社を休み、医者に行かせて

欲しいとお願いした。

 

午前中、医者に行ったその足で会社へ向かい、昼前に到着。

さあ、仕事を始めようとした途端、携帯にメールが到着した。

 

嫁さんから、『子供が産まれそう。』と。

 

え?予定より、2週間も早いやん。

また、僕の友達から初産は予定日より、遅れやすいと聞いていたから、

まだまだ、先だと思っていた。

 

う~ん。困った。どうしよう?今、出社したばっかりなのに。

上司が『何かあったんか?』

『嫁さんからメールが来て、子供が産まれそうだと。』

『すぐ、病院に行け。』

『え?でも・・・・。』

『さっさと、行け!』

僕は一言、『すみません。』と、言って、病院に向かわせてもらった。

次の日、上司にお礼を言ったら、上司は

『で、子供と嫁さんは大丈夫なんか?』と。

『はい。お陰様で、二人とも元気です。』

『それは、良かった。』と言ってくれた。

 

それから、娘は度々、体調を崩し、仕事が忙しいのに、

僕は2日連続で会社を休んだ事がある。

流石に上司に怒られるだろうと思い、出社した次の朝、

上司に『忙しいのにすみません。』と謝罪したら、上司は

『で、子供は大丈夫なのか?』の一言だけで、

僕を叱る事は全くしなかった。

 

口数が少なく、ポーカーフェイスの上司だが、

唯一、顔色が変わった時がある。

 

それは、僕が会社を辞める最終日。

終業後、僕は心の底から、今までのお礼を言った。

上司は一言。

『身体だけは気をつけろ。』と。

 

でも、上司は何時ものポーカーフェイスでは無い。

今まで見た事のない、凄く心配している顔付きだ。

僕は上司に深々とお辞儀をして、20年間の業務の

幕を下ろした。

 

仕事と嫁さんが妊娠してから、出産、子育て、僕が退職する

に至るまで非常にお世話になった上司。

出来の悪い部下で申し訳なかったです。

お陰様で僕は今、幸せです。

 

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