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小さな先生と仲間たち

涙脆いおっさんの感動、感心、おバカな話

失敗したってかまわない。

僕の娘は小学校5年迄、ピアノを習っていた。

お世辞にも上手とは言えない。

 

ピアノを習わせたきっかけは、同じ保育園に行っていた

お友達のお母さんが習わせている話を嫁さんが聞き、

娘を同じピアノ教室に通わせた。

 

ピアノを習わせた当初、娘は興味本位で弾いていたようだが、

だんだん嫌気がさしてきて、仕方なくやっている感じだった。

 

嫁さんは家で一生懸命、ピアノの指導をしていたが、

僕はピアノが弾けないし、何より、ピアノを習わせている

目的が嫁さんと異なる。

 

僕の娘の性格はおっとりしていて、自らの発言や提案等を

する事は殆どせず、どちらかと言うと目立たず、

すぐ、妥協するタイプ。

僕と性格が反対で、嫁さん側に似ている。

 

当然、ピアノを習っている以上、時々、ピアノ発表会がある。

実は僕はこれが一番の目的である。

 

ピアノ発表会の参加者は幼稚園・保育園児からお婆さん迄、

年齢層が非常に広い。

上手に弾く人もいれば、ミスをする人もいる。

ピアノ発表会の参加者の中には、演奏中にミスが重なり、

頭の中が真っ白になって、急にピアノが弾けなくなり、

途中で立ち去る人もいる。

 

僕の目的は沢山の観客が注目する中で、娘が孤独にピアノを弾き、

ミスが重なっても途中で立ち去る事無く、最後まで、

弾き切ればそれで良い。と考えている。

 

即ち、どの様なアクシデントに遭っても、最終の目的迄、

果たせる根性をつけて欲しい。

ただ、それだけである。

 

娘はピアノ発表会の前日は何時も元気がなかった。

僕は娘に、

 

『なんか、元気ないなー』と。

『ピアノが上手に弾けない。』

『別にええやん。ミスしても。』

『パパはミスばかりしている曲を聴いて楽しいか?』

『別に楽しいとか、楽しくないとかで聴いている訳では

ないで。パパはお前がいっぱいミスしても、最後まで

ピアノを弾き切ればそれで良いと思ってる。』

『???』

『パパはな、今でも失敗ばかりしている。だから、

失敗する人の気持ちが良く分かる。でもな、失敗は

悪い事とは思ってへんのや。』

 

『そやから、明日のピアノ発表会は頑張れとは言わへん。

普通でいい。いっぱい失敗してもかまへんから、

最後までピアノを弾き切れ。』と。

 

当日のピアノ発表会。

娘はいっぱいミスをしたが、最後迄、ピアノを弾き切った。

舞台裏で半泣き状態だった娘を僕はいっぱい、いっぱい褒めてやった。

 

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